2018年4月4日水曜日

GAPS 腸内細菌と発達障害



以前にもブログで紹介したことのあるこの本、「GAPS Gut and Psychology Syndrome」。
実はこの本、イギリスでの初版は2004年。そして、この私が手にしている本は改訂版で18版!もう14年近くベストセラーで読まれているんですね。

日本でもやっと腸内細菌の働きや腸の働きの重要性が注目されて、発酵食品を見直す傾向にあります。この本は腸内細菌のバランスを整えることの大切さを特に、行動不全、自閉症、ジスレキシア、ADD、ADHD、うつ、統合失調症の患者さんに向けて書いています。

腸は食べ物を消化するだけでなく、腸内細菌も含めていろんな働きがあることがわかってきました。最近では「腸活」などとも言うそうですね。

この本の存在が、大きく影響しているのではないかと思っています。

ついに日本語にも翻訳されて、2016年に出版されたようです。日本語の題名は「GAPS 腸と心の症候群」となっていて、日本のアマゾンでもこちらから購入できます。

私は日本語訳は読んだことがありませんが、値段は高くとも、読む価値のある本だと思います。特に発達障害のお子さんを持つ親御さんには是非読んでいただきたい、オススメ本です。

本の内容は、腸と腸内細菌の働きについて、説明されていますが、食事について注意するべきこと、また食事のレシピがわかりやすく書かれており、実用的です。主に自閉症スペクトラムや統合失調症などの疾患について書かれていますが、知識と食事はアトピー性皮膚炎や過敏性腸症候群などの方も活用できます。

著者は冒頭で、
"ここ20年で急激に増加している病気であるが、本当に遺伝性、先天性であれば、このように急激に増加することはないのではないか?"
"まだまだ真相はわかっていませんが、一緒に勉強して行きましょう! "
と述べています。

今でも日本の一部の医療関係のウェブサイトでは、「先天性」「生まれつき」などと書かれているところが見受けられますが、全ての例がそうでないこともわかってきています。

私の勝手な印象ですが、今の日本では、まだ「行動について学び、受け入れる」方に焦点が当たっているように思われます。

もちろん、行動について学び、受け入れることも大事です。しかし、食事療法、栄養療法などで、その行動を軽減できる可能性があるのであれば、もっと活用できるように、早く欧米での考え方が追いついて欲しいと思っている分野だと思っています。もう15年近く前にはわかってきていたことなのですから。。。。

「どんな本を読んだらいいかわからない」という方、この本を私はオススメします。

「知識は力なり」です。私もさらに学んで行きたいと思っています。


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