2017年4月4日火曜日

イギリスの薬局で働く その8



薬局で働き始めて3ヶ月が経ち、仮採用の期間も終えて、Medicine Counter Assistantの資格を取るように、と教材を渡されました。この写真がその教材です。

処方箋の種類、システムについて、患者さんとの対応の仕方についてから、それぞれのOTC製品と効能について、薬局でどのように患者さんから情報を聞き出して、適切な商品を売るかについて、また、どの時点で薬剤師を呼んで確認するかについて勉強します。

カウンターで薬を販売するとき、WWHAMという質問をします。

Who is the medicine for? (誰のためのものですか?)
What are the symptoms?(何の症状がありますか?)
How long have they had the symptoms?(どのくらいの期間その症状がありますか?)
What Action has already been taken?(何かそれに対して対策はとりましたか?)
Are they taking any other Medication for this or any other reason?(その症状に対してまたは他に飲んでいる薬はありますか?)

この質問を必ず行って、必要があれば薬剤師に確認して薬を販売します。

日本と比べてOTCで販売できる薬の範囲が広いイギリス。日本では調剤のみの薬でもOTCで販売できるものが多いです。特にモーニングアフターピル(緊急避妊薬)や偏頭痛薬などは、薬剤師と相談して買うことになっています。薬局に併設してあるコンサルテーションルームで、プライベートな空間で患者さんとお話できるようになっています。

Medicine Counter Assistantの勉強は、OTCをいろいろ知るのにとてもいい機会でした。

またこちらでは販売方法として、「Link Selling」という言葉があります。例えば、風邪薬を買いに来た人に、ビタミンCのサプリメントをオススメして買ってもらう、といったように、1商品だけでなく、関連商品も勧めて買ってもらうという方法。薬局も商売で、特に私の働いていた薬局は、NHS病院内にあり、その売り上げの一部をTrustに支払う、という契約内容になっていたため、契約更新のために売り上げはどうしても上げたいところ。

自分がレジを打つときは、自分のパスワードを使ってログインしてレジを使用するのですが、本社ではそのデータ分析して、私がどのくらい商品を売っているか、分析もされていていました。そんなことをされているとは知らなかったので、お話があったときにはびっくりしました。

大手調剤薬局だったので、トレーニングシステムがとてもしっかりしていて、薬局で販売している製品メーカーの研修にも行かせていただきました。商品と商品が生まれたバックグラウンドを知ることで、お客さん、患者さんにもセールスポイントを伝えられ、売り上げにつなげられるという背景があります。

今、ホメオパシー薬局に勤めていますが、この経験は今でも役に立っているように思います。



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