2018年4月29日日曜日

イギリスの薬局で働く 続編その1



イギリスの調剤薬局で働くまでの就職活動、勤務してからの体験記を10回にわたって書いたのですが、一部の友人から「もう終わりなの?もっといろいろあったでしょー!」と言われ、もうちょっと書いてみることにしました。
その後、書いたにもかかわらず、すっかりアップするのを忘れていまして・・・これから続きを追加でアップいたします。

イギリスの調剤薬局では香水が売られています。メイン通りのBootsなどとなると、1階は香水と化粧品で買い物客を惹きつけられるようになっています。
違和感があるように思いますが、昔からいろんな香りを調合して売っていた歴史を考えると、薬局と香水の組み合わせもおかしくないのかな、と思います。

私が勤めていた薬局でも、香水は鍵のかかるガラスのショーケースに入って売られていました。

香水を付けることを「wear the perfume」とwearという動詞を使います。着るものと同じように香りに対して使う英語は面白いなって思います。

昔から香水なんてほとんどつけることのなかった私。
でも、薬局に勤めるようになってから、どんなものが人気なのか、など同僚と話をすることで少しだけですが、甘い香り、フレッシュな香りなど違いがわかるようになりました。

ある日、中年男性がすごく深刻な顔をしてカウンターに来ました。
「今、病棟で妻がガンの告知を受けて、とても落ち込んでいるんだけれど、気分が上がるような香水を一緒に選んで欲しい」と。。。
「どうしよう???」
予算と好みを聞いて、試してもらい、エリザベス・テイラー、プロデュースの「White Diamonds」という香水を選びました。

「妻が嫌いだったらどうしよう?」
「コレは定番で人気の香りなので大丈夫だと思いますが、開けてなかったら返品できるので、レシートを必ず持ってきてください」
と伝えたあと、彼は急いで去って行きました。
その後戻ってこなかったので、大丈夫だったのだとは思うけれど・・・。
妻を思う夫の気持ちに心を打たれました。

薬局ではお客さんにテスターで色々香水を試していただくことができるのですが、よくデパートにあるようなテスター用の紙がなく、お客さんの腕につけて、足りなくなってくると私の腕も借り出されます。家に帰ると、夫から
「今日の匂いは好きじゃない」
「今日のはいいにおい」
など日によって色々言われることがありました。
男性用、女性用のいろんな香りが混ざっていて、付けている私は鼻が麻痺していましたが・・・。

薬局にとっては香水の販売は値段も高いため、いい利益になります。
私が勤め始めた頃、私をマネージャーと会わせて面接につなげてくれた同僚、20代前半の若いハンサムな男性3人と私の5人がカウンターで働いていました。彼らは看護婦さんたちにとても人気があり、よく「私のカワイー男の子たちはいる?」などと、仕事で通りかかったときに会いに来る看護婦さんも!
そんな彼らはとても上手に女性に香水を売っていました。
時々調剤室では「またやってるー」的ことを言っている人たちもいましたが・・・。

忙しい中、香水を売るときはちょっと気分が上がって楽しかったです。

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