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2017年4月26日水曜日

サワークラウトにも挑戦!



以前、自宅でキムチを作っているお話をしたのですが、夫(南アフリカ出身)が嫌がって食べてくれないため、何とかして発酵食品を取り入れられないものかと思っていました。ところがポーランド人の同僚からいただいた手作りサワークラウトを美味しそうに食べていたので、「コレなら!」と思い、自分でも作ってみることにしました。

サワークラウト(Sauerkraut)はドイツ、ロシア、東ヨーロッパで食べられているもので、たくさんの消化酵素、Probiotics(体にいい働きをしてくれるバクテリア)、ビタミンやミネラルが含まれています。特に肉と一緒にとることで、胃酸の分泌を刺激して、消化を助けてくれます。

作り方はこちら↓

【材料】
キャベツ 大1つ(約1kg
にんじん 中1-2本(カラフルなほうがいいと思って入れているのでお好みで)
塩 大さじ(キャベツの大きさによって調整してください)
砂糖 大さじ(キャベツの大きさによって調整してください)
キャラウェイシード 大さじ(お好みで)
ファイブスパイス 大さじ1(お好みで)
唐辛子 1本(お好みで)
ローリエ 適量

【作り方】
1.キャベツとにんじんをスライサーで細かく千切りにします。
2.スライスしたキャベツとにんじんをボールに入れ、塩、砂糖とキャラウェイシード、チャイニーズファイブスパイス、刻んで種を取った唐辛子を加えて、まんべんなく混ぜ合わせます。時々混ぜ合わせて塩が均等に行きわたるようにしてください。
3.1時間くらい置いてから、中を煮沸消毒したガラスのビンにぎゅうぎゅうに詰めて空気が入らないように入れます。詰めるときに間にローリエをいれていきます。
4.最後は重りを載せて、きちんと上から押し、水が常に上にある状態で、ふたを閉じます。
5.室温で保存し、その後は毎日チェックして水が上にある状態に常にするようにしてください(カビができるため)。
6.数日してくると、かさが上がってきます。発酵し始めた証拠です。毎日少しガス抜きをするようにしてください。放っておくと、爆発することもあります。
7.3-4週間したらすっぱくなってきて食べられるようになりますが、お好みの発酵の状態ができるまで置いておいてもかまいません。好きな状態に達したら、できあがり。冷蔵庫に入れて保管してください。


作り始めて数日すると、この写真のように、水が出て、ブクブクと泡が出てきて、発酵してきているのがわかります↓



水が出てくる分も考えて、あまり容器いっぱいに詰めすぎないで、少し空間に余裕を持って詰めてください。

お腹の健康を保つのはとても大事です。腸内細菌は体に必要な栄養素や酵素などを作ってくれる大事な役割を担っています。発酵するのに時間はかかりますが、手軽にできるので是非試してみてください。


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2017年4月13日木曜日

Just One Drop ~ホメオパシーのドキュメンタリー映画



ホメオパシーについてのドキュメンタリー映画「Just One Drop」の上映会に行ってきました。
今週はHomeopathy Awareness Week。月曜日がホメオパシーを見出した、サミュエル・ハーネマン医師の誕生日だったこともあり、この時期に公開となりました。

ホメオパシーの歴史、ホメオパシーを使っている家族の話、ホメオパスのインタビュー、ホメオパシーの最近の動向とリサーチについてなど、短時間ながらいろんな内容が入っていました。
最近のリサーチの状況はとても興味深かったです。
Homeopathy Research Instituteという、ホメオパシーの効果についてリサーチをまとめている団体があります。
https://www.hri-research.org/

その団体によると、「ホメオパシーは効果がなく、プラセボと同等だ」としたリサーチの中に結果を工作している可能性が高いことが見出されたそうです。それについて実際のリサーチがどのような結果だったのか、内容を公開して欲しい、と交渉しているところなのだとか。
反ホメオパシー団体が研究した結果、予想と反してホメオパシーの効果があると出てきてしまったための、データ工作なのではないか、ということが強く疑われています。

これが公開されたら、とても大きな反響を呼ぶと思われ、動向が気になるところです。

ホメオパシーで効果があるとされている文献が多いものに、花粉症があります。
これから花粉症の時期、悩まされている人も多いはず。
上の写真は、薬局で販売している花粉症のコンビネーションレメディ。
この時期になると良く売れます。
花粉症については、症状がすでに出ているときは、こちらのようなレメディやサプリメントで対応し、オフシーズンのときにきちんとコンサルテーションをして、体の本質的な部分から治療することをオススメします。

映画の話に戻りますが、これからいろんなところで上映していく予定だそうです。
真のホメオパシーについて知ってもらうために、沢山の人に観てもらえるといいなー、と思いました。



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2017年4月6日木曜日

イギリスの薬局で働く その10



働いて慣れてくると、調剤薬局の同僚と飲みに行ったりする機会もできました。

そこで色々聞いてみると、本当にみんな想像を絶する努力をしているのを知り、本当に驚き、またそんな尊敬できる仲間と一緒に働けたことを本当にうれしく思いました。

Pharmacy Technicianとして働いていた同僚は、
出身はブルガリア。資格を取りたくて、薬局を訪ねたけれど、「正式に社員としては働けないけれど、ボランティアならいいですよ」といわれ、薬局でボランティアをしながら勤務経験を重ねていったそうです。その勤務時間数を利用して、Pharmacy Technicianのコースに応募し、Technicianになることができたのだとか。

収入ゼロでもその経験と時間数を生かして、資格を取る!
彼女の努力と忍耐に比べたら私なんてまだひよっ子。
すごいなーって思いました。

みんな本当にいい人たちばかり。

窓口では日本では想像もつかない戦場ではあるけれど(患者さんの文句の度合いが半端じゃありません)、素敵な人たちに囲まれた、いいチームで働けたことはとても貴重な経験でした。

今、日本の門前薬局のように、NHSの病院も、病院内に外部の調剤薬局を受け入れて、外来処方箋をこの調剤薬局に調剤してもらう、というシステムに替えているところが増えてきています。病院側は、外来薬局の忙しさから離れ、院内薬局の業務に集中できること、また調剤薬局の販売収入をNHS病院に支払うことでTrustの収入源にもなる、という契約でシステムが成り立っているそうです。
調剤薬局も患者さんの沢山集まる場所に薬局を構えることができるため、処方箋枚数の確保、商品の購入層にアクセスできるメリットがあります。

こんな新しいシステムを導入したばかりのところで働くことができてよかったと思っています。

日本人でありながら、イギリスで現地の病院や薬局で薬剤師として働いている方たちにお会いする機会が時々あります。お話を聞くと本当に皆さん想像を絶する努力をして、今の仕事を勝ち取った(本当にこの言葉がぴったりだと思います)方たち。

調剤薬局で働く機会をくれた、薬局の方たち、いつも会うと元気をくれる現地の日本人薬剤師の方々に本当に感謝しています。とても貴重な経験ができました。

今はホメオパスとしてホメオパシー薬局に勤務、今までの仕事とは少し違う分野で働いていますが、人々の健康について貢献したいという気持ちは昔と何ら変わっていません。

これからもよろしくお願いいたします。

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2017年4月5日水曜日

イギリスの薬局で働く その9



イギリスの医薬品は主に3段階に分類されています。

GSL : General Sale List Medicines 薬剤師がいないスーパーなどでも購入可能
P : Pharmacy Medicines 薬剤師のいる薬局で購入可能
POM : Prescription Only Medicines 処方箋取り扱いのみ

私の勤めていた調剤薬局は、Pの薬をアクリルのロックのかかる箱に展示して、そこには「店員に声をかけてください」とのメッセージが書かれていました。
なので、中に入っている薬が必要な場合は、店員を呼んで商品を取ってもらう必要がありました。
大抵の薬局ではPの薬はカウンターの後ろに陳列して、購入するときに店員にとってもらう形をとっているところが多いです。

イギリスのどの薬局でも悩みの種・・・、万引きが絶えないこと。

こんなことがありました。

とても忙しかったある日、薬局を閉めるまえにお店をグルーっとまわってみていたら、「リゲインの入っている箱がない!」
そう、ロックが開けられず、箱ごと盗まれていました。コレにはマネージャーさんもびっくり。
相手もやるものです。

よく盗まれるものの中には風邪薬があります。
この中に入っている成分がドラッグを作る原料になるため、商品を買う際には1日総量○mgまでなど買う量に制限があります。
なので、普通に大量買いをすることはできないため、一気に盗むことにつながってしまうようです。Pの箱に入っているのですが、うまくロックを開けられて、盗まれていることもありました。

そのほかにはスキンケア、メイクアップ、化粧品関連。朝の静かなときに品出しして、きれいに陳列しておいたのに、一日の終わりに見てみたら、棚ごとごっそり盗まれていることがありました。
これらはオンラインなどで転売して、お金を稼いだりするために使われていることもあるようです。

また、堂々とした万引きもありました。スーツを着た若いサラリーマン風の男性が、
「すみません、これって下痢止めですよね。一日何回まで使えるんですか?」
「○回までです。」
「そうですか、ありがとうございます。」
と言って商品を持って堂々と店を去って行きました。その後、同僚に
「あの人の会計した?」
「してないよ」
あー、やられたー・・・なんてこともありました。
目の前には処方箋持込の長い行列があるため、なかなか店まで目が行き届きません。

こんなこともありました。
いつもどおり、とても混んでいて忙しいとき、マネージャーさんが
Hiroko、車椅子どこにいったの?」
「え?」
行列の後ろに陳列されているはずの車椅子の1つがなくなっている!!!
薬局には介護用品をはじめ、車椅子、電動スクーターなども陳列してあります。
監視カメラを二人でチェックしていると、中年女性が普通に車椅子を持ち出している姿が映っていました。
マネージャーは
「病院の出口まで行って見てみる」
と言って、出て行きました。
長い行列がやっと短くなってきたところで、女性が雨にぬれた車椅子を置いて去って行きました。
「マネージャーが女性を見つけて返却させたんだ」
と思っていました。
マネージャーが帰ってきて
「あれ?車椅子どうしたの?」
と聞いてきて、
「え?女性を見つけて返却させたんじゃないの?」
思わず二人でおかしくて笑ってしまいました。

薬局の構造が問題にあると、マネージャーも薬局を立ち上げるときに本部に散々交渉したのですが、そこは認められず、万引きとはいたちごっこで、いろんな工夫をしました。

その後、車椅子などのディスプレイはチェーンで商品を繋げてロックし、一段高いところに置いて、周りにロープで囲いを作りました。

お客さんで時々見かけて報告してくれる方もいるのですが、あとは追わないほうがいいと言われています。もしかしたら刃物などの凶器を持っているかもしれず、お客さんやスタッフのことを考えるとそのほうが安全だからです。

思いもよらない出来事がいろいろあって、ある意味刺激のある毎日でした。

2017年4月4日火曜日

イギリスの薬局で働く その8



薬局で働き始めて3ヶ月が経ち、仮採用の期間も終えて、Medicine Counter Assistantの資格を取るように、と教材を渡されました。この写真がその教材です。

処方箋の種類、システムについて、患者さんとの対応の仕方についてから、それぞれのOTC製品と効能について、薬局でどのように患者さんから情報を聞き出して、適切な商品を売るかについて、また、どの時点で薬剤師を呼んで確認するかについて勉強します。

カウンターで薬を販売するとき、WWHAMという質問をします。

Who is the medicine for? (誰のためのものですか?)
What are the symptoms?(何の症状がありますか?)
How long have they had the symptoms?(どのくらいの期間その症状がありますか?)
What Action has already been taken?(何かそれに対して対策はとりましたか?)
Are they taking any other Medication for this or any other reason?(その症状に対してまたは他に飲んでいる薬はありますか?)

この質問を必ず行って、必要があれば薬剤師に確認して薬を販売します。

日本と比べてOTCで販売できる薬の範囲が広いイギリス。日本では調剤のみの薬でもOTCで販売できるものが多いです。特にモーニングアフターピル(緊急避妊薬)や偏頭痛薬などは、薬剤師と相談して買うことになっています。薬局に併設してあるコンサルテーションルームで、プライベートな空間で患者さんとお話できるようになっています。

Medicine Counter Assistantの勉強は、OTCをいろいろ知るのにとてもいい機会でした。

またこちらでは販売方法として、「Link Selling」という言葉があります。例えば、風邪薬を買いに来た人に、ビタミンCのサプリメントをオススメして買ってもらう、といったように、1商品だけでなく、関連商品も勧めて買ってもらうという方法。薬局も商売で、特に私の働いていた薬局は、NHS病院内にあり、その売り上げの一部をTrustに支払う、という契約内容になっていたため、契約更新のために売り上げはどうしても上げたいところ。

自分がレジを打つときは、自分のパスワードを使ってログインしてレジを使用するのですが、本社ではそのデータ分析して、私がどのくらい商品を売っているか、分析もされていていました。そんなことをされているとは知らなかったので、お話があったときにはびっくりしました。

大手調剤薬局だったので、トレーニングシステムがとてもしっかりしていて、薬局で販売している製品メーカーの研修にも行かせていただきました。商品と商品が生まれたバックグラウンドを知ることで、お客さん、患者さんにもセールスポイントを伝えられ、売り上げにつなげられるという背景があります。

今、ホメオパシー薬局に勤めていますが、この経験は今でも役に立っているように思います。



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2017年4月3日月曜日

イギリスの薬局で働く その7



イギリスの調剤処方箋の料金システムについて。

イギリスでは、窓口で支払う料金は、剤数ごとに決まります。
現在は1剤£8.40(2016年4月1日改正)。2剤、3剤と処方される場合はその倍数です。

但し、処方箋の裏には控除になる方の条件が書いてあります。
例えば
16歳以下、
16-18歳まででフルタイムの教育を受けている
特定の疾患にかかっている(日本と違って、がん、糖尿病などもこの対象になります。対象者は特定疾患控除のカードを持っているのでそれを窓口に提示してもらいます)。
生活保護の方
妊婦と出産後1年以内の女性

などなど、いろんな条件があり、生活保護、特定疾患の場合は条件がさらに細かく記されています。

控除の条件に当てはまらない場合で処方数が多い場合は、The Prepayment Prescription Certificateといって、毎月処方される場合だと格安になるカードがあります。3ヶ月のカードと(£29.10)12ヶ月のカード(£104.00)があるので、窓口でどの方法が一番患者さんにとって安いのかを計算して、どの方法が患者さんにとって安いかを教え、患者さんにどの方法にするか選択してもらいます。

また、処方箋に書いてある薬が、OTCとして買えるものも書いてあったりします。患者さんが支払いする場合、普通に買う場合と、処方箋で処方してもらう場合とどちらが安いかも計算して、普通に買う場合が安いときはそのまま店内から購入してもらいます(待ち時間を考えるとこの方が安くて患者さんにも有利であるため)。

処方箋を受け入れるにあたり、色々なルールがあります。

日本では健康保険証を受診時に必ず持参しますが、こちらでは自分がどの控除かわからない人もいるため、控除のカードすら持ってこない人もいます。

こんなこともありました。

救急を受診した男性。受診までかなり待たされた様子。
処方箋を持ってきて、一通りチェックを終えた後、「お支払いをお願いします」と言うと、「何で支払わなきゃいけないんだよ!お金なんてないよ!」と怒鳴り始めました。
大声を聞いた調剤室内の薬剤師とDispenserがすぐカウンターに飛んできて、私の両脇にピタッとついて、男性に「何があったのか詳しく聞かせて」と言っても、男性は怒鳴ってばかり。この二人も勢いに負けておらず、何を言われても物怖じしません。結局彼は失業していて、お金に困っていることがわかりました。そこで理由がわかっても薬剤師とDispenserは止まりません。
「申し訳ないけれど、それは彼女には関係ないことでしょ!Hirokoに謝りなさい!」
私は「もういいよー」と思っていたけれど、私の同僚たちのほうが今度は謝るまで引き下がりません。
最後には彼が謝ってくれて、ひと段落しました。

散々診察で待たされて、患者さんがイライラするのは日本の薬局でも一緒ですが、こちらの患者は周りの目など気にせず逆上します。ほぼ毎日このようなことがありますが、スタッフもこういう患者の対応について、トレーニングがなされているので、何かあったらすぐに調剤室や店内から飛んできます。一人で対応するより、複数のほうが患者も攻撃しにくくなるためだそうです。
カウンターの下に非常ボタンがあり、緊急時にすぐに呼べるようになっていますが、同僚が飛んでくるほうが早いので、働いている間、一度も押すことなく済みました。

昔はNHSでの調剤も無料だったようです。彼も制度が変わっているのを知らず、支払うことに抵抗があったようです。

料金システムについての詳細はこちらのリンクをご覧ください。

http://www.nhs.uk/NHSEngland/Healthcosts/Pages/Prescriptioncosts.aspx

これはMedicine Counter Assistantのテストにも出ていて、イギリスのNHSの処方箋のしくみについて詳しく理解することができました。


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2017年4月2日日曜日

イギリスの薬局で働く その6



さて、調剤薬局での仕事が始まりました。

薬局に入って調剤室に入ろうとしたら、「ここからは一般者は入っちゃいけないのよ」と止められました。「え?」とキョトンとしていたら、「今日からの新人なの!」と他のスタッフに言われて調剤室に入り、みんな止めたスタッフをからかって笑っていました。

この話は、そのスタッフが勤務になるとネタにされて、しばらく笑い話になっていました。

イギリスでも屈指の大病院。かのエボラ出血熱患者も運ばれた病院で、忙しさが半端じゃない。おまけに日本に比べると、システムが古いので、意外なところでトラブルが起きて、仕事が滞ったり。処方箋が手書きだったので、必要事項の書き漏れも時にはありました。

3ヶ月の仮採用期間が修了したら、Medicine Counter Assistantという資格を必須で取ってくださいということでした。

カウンターでの仕事は、主に処方箋の受け入れ、医薬品、商品の販売、納品チェック、患者さんへの医薬品、商品販売のアドバイス、レジの管理。

忙しい時間になると、患者さんの列が延々と続きます。たまに薬局の端まで届いてその後ろにあるトイレまで延びているのを見ると、ぞっとします。。。でもこっちが処方箋を入れる分、調剤室も忙しいはず。

イギリスではとても調剤の役割が細分化されていて、いろんな資格の人が調剤室内で働いています。
1.薬剤師
2.Accuracy Checking Technician(検薬を主に仕事とする)
3.Pharmacy Technician(調剤の出しまでできる。Dispenserより資格が高い)
4.Dispenser(調剤の出しを主にする)

私が働いていた薬局は全部で約20人。薬剤師は3-4人。
薬剤師はこれらのスタッフの教育、資格取得の監督もします。調剤室では主に疑義照会
とスタッフ全員の仕事の流れを把握しています。もちろん、カウンターで働いているスタッフの仕事の状況もチェックしています。

処方箋を受け入れるときには、患者さんの名前、生年月日、アレルギー、支払いの有無をチェックします。HIVのクリニックもあったので、その処方箋がきたら、決して患者の名前をカウンターで言わない、など、細かいルールは沢山!
そして科ごと、次の日に取りに来る人などでトレーの色が違うので、適する色のトレーに正確に入れていきます。
ちなみにトレーの色は基本4種類。
1.本日受け取り
2.後日受け取り
3.緊急受け取り
4.化学療法科、血液科

それを間違いなく選んで処方箋を入れていきます。

処方箋を受け取ったときに受け取り時間も記入します。調剤にどのくらいかかっているか計算するためです。最後に薬剤師が検薬し終わったら、その時間を記入し、一日の終わりにかかった時間の平均を計算します。平均300-400枚くらいで800アイテムくらいの薬局でしたが、待ち時間20分以内を目標にし、大抵達成できていました(イギリスでは処方箋1枚あたりの剤数が、特殊な病気を以外は日本と比べて少ないです)。NHSの病院に勤める友人にこのことを話したら、「それはすごい!うちは2時間近くかかっているよ」とお話していたので、いいほうだったのではないかと思います。これも民間企業の調剤薬局とNHSの違いだったのではないかと思います。

処方箋を受け取った際に、こっちでは自分が支払いの対象になるのか、そうじゃないのかも自分でわからない人が沢山います。そこで結構時間を費やさざるを得なくなってしまいます。滞ってしまうと調剤全体の流れも悪くなるので、如何に問題をすばやく解決できるかも問われてきます。そうNHSの料金システムをちゃんと知っていないとダメなんです。

毎日が勉強。とても新鮮でした。

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2017年4月1日土曜日

イギリスの薬局で働く その5



大きな病院の中にある、チェーン調剤薬局の面接。

今までいろいろ練習したこと、全部出し切るつもりで面接しました。
面接の最後に言われたのは、「これからもう一人とも面接するんだけれど、来週火、水、木曜日と働ける?」と。「実際に働いてみて、あなたにとってもこっちにとっても思った仕事と違う、って言うことのないようにしたいの。もちろん勤務しただけのお給料はお支払いします」と。
来週の勤務は火曜日は入っているけれど、水、木は休み。「2日間なら働けます。」とお話して、戻ってきました。

次の週。勤務に行ったら、みんなニコニコして迎えてくれました。でも実際に働いてみてびっくり。大病院だけあって、本当に忙しい!そこには私の後に面接した女の子もいました。話をしてみると、今も調剤薬局で働いているけれど、こちらの仕事に応募したんだ、と。
「えー、経験者だったら私、無理じゃない。」そうがっかりしてお昼を食べていたら、「ガリッ」と音がしました。
こんなときに限って奥歯の詰め物が取れた!
「何でこんなときにーーー!」。
歯医者に電話し、無事に予約が取れて、ほっとしたときに、ふと思いました。
「現地の薬局で働く機会なんてなかったんだから、この2日間は楽しむつもりで行こう!」
気持ちを切り替えて望むことにしました。

貴重な経験、いろんなルール。2日間だけだったけれど、いろんなことを教えてもらいました。

終わり近くになったとき、ふと女の子がいなくなっていることに気がつきました。「あれ?もう帰っちゃったんだ。」

そして薬局を閉めた後、マネージャーと私だけが薬局に残りました。

「あなたに是非私たちのチームに入っていただきたいの。あなたはどう思う?」

(え、これって採用のオファーなの?)「この2日間楽しく働かせていただきました。是非よろしくお願いいたします。」

「カウンターのチームのみんなはいい人だよ。沢山教えてくれるから、協力して頑張ってね」

それから、採用に必要な書類を次の週に持ってくる約束をして薬局を去りました。

病院を出た後、夫とKさんに電話をしました。二人ともとても喜んでくれました。
Kさんは、「いままでそんなの聞いたことない。感動したよ」と言ってくれました。

就職活動を始めてから1年半。長かったー。

日系クリニックには、退職願いを出しました。1ヶ月前に辞める事を言わなきゃいけない契約になっていたので、翌週から1ヶ月は、両方の仕事の掛け持ちが始まりました。


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