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2017年4月2日日曜日

イギリスの薬局で働く その6



さて、調剤薬局での仕事が始まりました。

薬局に入って調剤室に入ろうとしたら、「ここからは一般者は入っちゃいけないのよ」と止められました。「え?」とキョトンとしていたら、「今日からの新人なの!」と他のスタッフに言われて調剤室に入り、みんな止めたスタッフをからかって笑っていました。

この話は、そのスタッフが勤務になるとネタにされて、しばらく笑い話になっていました。

イギリスでも屈指の大病院。かのエボラ出血熱患者も運ばれた病院で、忙しさが半端じゃない。おまけに日本に比べると、システムが古いので、意外なところでトラブルが起きて、仕事が滞ったり。処方箋が手書きだったので、必要事項の書き漏れも時にはありました。

3ヶ月の仮採用期間が修了したら、Medicine Counter Assistantという資格を必須で取ってくださいということでした。

カウンターでの仕事は、主に処方箋の受け入れ、医薬品、商品の販売、納品チェック、患者さんへの医薬品、商品販売のアドバイス、レジの管理。

忙しい時間になると、患者さんの列が延々と続きます。たまに薬局の端まで届いてその後ろにあるトイレまで延びているのを見ると、ぞっとします。。。でもこっちが処方箋を入れる分、調剤室も忙しいはず。

イギリスではとても調剤の役割が細分化されていて、いろんな資格の人が調剤室内で働いています。
1.薬剤師
2.Accuracy Checking Technician(検薬を主に仕事とする)
3.Pharmacy Technician(調剤の出しまでできる。Dispenserより資格が高い)
4.Dispenser(調剤の出しを主にする)

私が働いていた薬局は全部で約20人。薬剤師は3-4人。
薬剤師はこれらのスタッフの教育、資格取得の監督もします。調剤室では主に疑義照会
とスタッフ全員の仕事の流れを把握しています。もちろん、カウンターで働いているスタッフの仕事の状況もチェックしています。

処方箋を受け入れるときには、患者さんの名前、生年月日、アレルギー、支払いの有無をチェックします。HIVのクリニックもあったので、その処方箋がきたら、決して患者の名前をカウンターで言わない、など、細かいルールは沢山!
そして科ごと、次の日に取りに来る人などでトレーの色が違うので、適する色のトレーに正確に入れていきます。
ちなみにトレーの色は基本4種類。
1.本日受け取り
2.後日受け取り
3.緊急受け取り
4.化学療法科、血液科

それを間違いなく選んで処方箋を入れていきます。

処方箋を受け取ったときに受け取り時間も記入します。調剤にどのくらいかかっているか計算するためです。最後に薬剤師が検薬し終わったら、その時間を記入し、一日の終わりにかかった時間の平均を計算します。平均300-400枚くらいで800アイテムくらいの薬局でしたが、待ち時間20分以内を目標にし、大抵達成できていました(イギリスでは処方箋1枚あたりの剤数が、特殊な病気を以外は日本と比べて少ないです)。NHSの病院に勤める友人にこのことを話したら、「それはすごい!うちは2時間近くかかっているよ」とお話していたので、いいほうだったのではないかと思います。これも民間企業の調剤薬局とNHSの違いだったのではないかと思います。

処方箋を受け取った際に、こっちでは自分が支払いの対象になるのか、そうじゃないのかも自分でわからない人が沢山います。そこで結構時間を費やさざるを得なくなってしまいます。滞ってしまうと調剤全体の流れも悪くなるので、如何に問題をすばやく解決できるかも問われてきます。そうNHSの料金システムをちゃんと知っていないとダメなんです。

毎日が勉強。とても新鮮でした。

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