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2020年3月7日土曜日

初心に戻る



先日講座でこんなことを参加された方から聞かれました。

「横澤さんのご先祖はどんな感じだったんですか?」と。
「母方はお侍さんの時代から祖父の代まで医師の家系でした」
とお話ししたら、
「ご先祖様が達成できなかったことを成し遂げるために生まれ変わっているのかしら?」と。

私が薬剤師になったのは、祖父の影響を絶対に受けているのは嘘じゃないけど、そんな先祖代々のことまで考えたことがありませんでした。

その言葉からいろんなことを考え始めて・・・。


私の祖父は田舎で医師をしていて、戦後その町にも医師を開業する人が増えてくると、宮城県でも無医村の診療所に移動して働くようになりました。

ある日祖父は仕事が終わって晩酌している時に、脳梗塞になり、そこから自分の家に戻り、おばさんが寝たきりになった祖父を看病していました。

親戚全員が呼ばれ、祖父の枕元に私といとこが呼ばれた時に、私のいとこが「僕はおじいちゃんを継いでお医者さんになるよ」と言い、その横にいた私は「私は看護婦さんになって〇〇ちゃんのお手伝いする」と言っていたんですね。口に出したその頃からなんとなくそんな仕事をするのだろうな、と思っていました。

その後、時は流れて、弟は小学生に上がった頃から、慢性鼻炎になってしまい、県立病院の東洋医学科から処方された漢方薬を定期的に飲んでいました。学校が休みの時には、母と弟について行ったのですが、そこで待っている時に、薬局の投薬口から、漢方薬を量って調剤している白衣を着た薬剤師さんたちをみて「かっこいいー」と思い、「このお仕事がしたい!」と思うようになったのを覚えています。

大学は漢方が強い大学に行きたかったけれど、それは叶わず別の大学に。
大学に入ってからの生薬学は、もう落第することなく試験をパスすることと、国家試験に受かることに気持ちが入って、勉強を楽しむ余裕がありませんでした。
そして働き始めたら、西洋医学が中心で、漢方はあまり勉強できる機会がなく、忘れていく一方で・・・。

働き始めて8年以上経った時に、東洋医学を勉強したいと台湾や中国に住みながら勉強できたらいいな、とか、アロマセラピーを学んで、それも面白いと思ったり。

語学留学でイギリスを選んだことから、その期間にホメオパシーというものを初めて知って、その後「ホメオパシーを勉強しにイギリスに戻ってこよう」って思うようになったんですね。

でもこうやって今も薬局で働いているとサプリメントなどハーブの知識も必要で・・・。



そんな折、昨年日本の薬学の大学院生と毎年交流している友人から、「生薬学の研究室からきている生徒さんがいるんだけど、よかったらお話ししてくれない?」と連絡がありました。
その友人の学生さんと関わった状況についてはこちらの彼女のブログをご覧ください。
https://japaneseukpharmacist.hatenadiary.com/entry/2019/11/04/050325


で、実際に会ったその大学院生さんに「日本の大学はみんな生薬学を勉強するんですよね」と言われ、「そういえばイギリスではそういう授業があったかどうか聞いたことなかったな」って思ったんですね。その時に、「日本の薬学教育って貴重だったんだ」と初めて思いました。

学生の頃は、それぞれの植物の薬局方名、ラテン名、科名、薬効、薬効成分などをひたすら暗記した、過酷な思い出しかないけれど、「今なら楽しんで勉強できるかな」と思って、今回の里帰りの時にこれらの本と、ついでにもぐさも購入してきました。

ホメオパシーで吐き気によく使うIpecacは漢方の吐根だったり、他にも様々な繋がりが見えてきたら面白いかな?

試験もないし、マイペースで、好きな時に楽しんで学んでいきたいと思っています。

単なる一言から、いろんなことを懐かしく考えてしまった次第です・・・。

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